2016年6月12日日曜日

投資観 第31回 1968年~1971年の米国債イールドカーブと日本株の関係

前回は、1968年~1971年の米国の景気後退における、住宅指標などの推移を調べました。

今回は、同時期の米国債イールドカーブと日本株の関係を調べます。

以下のグラフは、1968年~1971年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
新発債にベースを合わせるために、0.20%下方に調整してあります。




1969年8月の逆イールドの発生が、その後の米国の景気後退の先行指標となっています。

以下のグラフは、1968年~1971年の日経平均株価の推移です。
米国債で逆イールドが発生したタイミングを矢印で示しています。




1968年8月の逆イールドの発生が、米国と同様に、その後の日本の景気後退の先行指標にもなっていました。

しかし、この期間中は、景気後退期においても、株価の大幅な下落が発生しなかったため、逆イールドは、日本株を売却する指標としては、有効ではありませんでした。

日本の株価が下落しなかったのは、この時期に、インフレ率が高止まりしていたことが原因と考えられます。

以下のグラフは、1968年~1971年の日本のCPIの前年同月比の推移です。
CPIの前年同月比は、概ね、5%~9%で推移していました。


このように、高インフレの時代には、逆イールドが発生しても、株式の売却は行わず、買い持ちを続ける方が、良い結果につながると考えられます。

次回は、さらに、時代を遡って、1965年~1968年の米国債イールドカーブの推移を調べることにします。






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