2016年6月19日日曜日

投資観 第32回 1965年~1968年の米国債イールドカーブ(既発債ベース)

前回は、1968年~1971年の米国債イールドカーブと日本株の関係を調べました。

今回は、さらに、時代を遡って、1965年~1968年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブを調べてみます。

以下のグラフは、1965年~1968年の3ヶ月既発債ベースの調整前イールドカーブです。
注)このグラフでは、3ヶ月既発債の利回りをそのまま適用しており、新発債利回りにベースを合わせるための調整を行っていません。





上のように、1966年11月に、逆イールドが発生し、米国の景気後退入りを示唆していますが、その後、米国は、景気後退に陥りませんでした。
すなわち、調整前のイールドカーブは、景気後退入りの予測を外しています。

さらに、新発債にベースを合わせるために、この時期の3ヶ月既発債の利回りの推移を見てみることにします。
以下のグラフは、1965年1月4日から1968年12月31日までの3ヶ月既発債の利回りの推移です。点線は、この期間での利回りの平均値です。




この期間での3ヶ月既発債の利回りの平均値は、4.61%でした。

下のグラフは、1982年1月4日から2015年11月19日までの、3ヶ月物の新発債と既発債の利回り差の分布です。横軸が3ヶ月既発債の利回りで、縦軸が、新発債との利回り差です。



1965年1月4日~1968年12月31日の既発債の利回りの平均値である4.6%に対する利回り差をこのグラフから読み取ると、約0.15%であることが分かります。
即ち、この期間では、3ヶ月既発債の利回りよりも、3ヶ月新発債の利回りの方が、平均して、約0.15%高かったと言えます。

下のグラフは、上の結果を踏まえて、最初の1965年~1968年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブベースを、0.15%下方に調整した後のイールドカーブです。





上のように、調整後のイールドカーブでも、1966年10月に、逆イールドが発生しましたが、米国の景気後退入りは起こりませんでした。
すなわち、調整後のイールドカーブでも、景気後退入りの予測は、外していました。

次回は、この期間における、住宅指標などを調べて、イールドカーブのみが景気後退の予測を外していたのかどうかを検証してみます。

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