2016年11月6日日曜日

投資観 第40回 1957年の米国の景気後退とイールドカーブ

前回は、1960年5月から始まる米国の景気後退について、米国債イールドカーブとの関係を調べました。

今回は、さらに、時代を遡って、1957年9月から始まる米国の景気後退について、米国債イールドカーブとの関係を調べてみます。

この時、景気後退入りの3年前の1954年8月から景気後退入り直前の1957年8月までの3ヶ月既発債の平均利回りは、2.2%でした。

米国債3ヶ月既発債と同新発債の過去の利回り差の分布を調べると、既発債が2.2%の場合、新発債は、0.05%低く出ます。

従って、上記の期間の米国債3ヶ月既発債の利回りを、0.05%下方に調整して、イールドカーブを作成したのが、下のグラフとなります。



上のグラフを見て分かるように、1957年9月から始まる米国の景気後退に対して、イールドカーブの逆転は、発生していません。

従って、この時期においても、前回と同様に、米国債イールドカーブは、景気後退の先行指標として機能していなかったと言えます。

次回は、さらに、時代を遡って、1953年8月から始まる米国の景気後退について、同様の分析を行ってみたいと思います。

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