上の最初のグラフは、1970年から1973年までの日本の景気拡大期における、CPI(東京都区部持ち家の帰属家賃を除く総合)の前年同月比の12ヶ月移動平均の推移と景気指標との関係を表したものです。
点線は、株式投資に適したCPIの上限と言われている、4%のラインです。 この時期は、全ての期間で、4%を上回り、最大では20%を超えるインフレ率となっていました。 第一次オイルショックが影響したものと考えられます。
上から二番目のグラフは、同じ期間での日経平均株価の名目値と実質値の推移です。
グラフ上、実線が名目値で、破線が実質値です。 実質値は、日本の鉱工業生産指数の反転が発生した年月を起点として、CPI(東京都区部持ち家の帰属家賃を除く総合)を使用して、算出しています。 高いインフレ率の割には、株価の上昇率は大きいですが、名目の伸びと比べて、やはり、実質の上げ幅は抑制されています。
上から三番目のグラフは、日本の過去の日経平均株価の名目値と実質値の上昇率を景気拡大期毎に示したものです。
グラフ上、緑色が名目上昇率で、橙色が実質上昇率です。 1971年から1973年までの日本の景気拡大期においては、名目の上昇率は、45%だったのに対して、実質の上昇率は、20%となりました。 インフレ率が高かったため、名目と実質の差が大きくなっています。 また、過去6回の景気拡大期で、名目と実質の両方で、上から3番目の高い上昇率となっています。
【注意事項】
1.当記事における景気後退期は、米国債イールドカーブに逆イールドが出現した時から日本の鉱工業生産指数の反転までの期間とし、内閣府が発表している公式の景気循環とは異なります。 2.この時期における日本の鉱工業生産指数は、四半期ベースで発表されているため、その変化は、各四半期の最初の月(1月,4月,7月,10月)に発生したと見なして、グラフにプロットしています。 |
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