今回は、さらに、時代を遡って、1937年6月から始まる米国の景気後退について、米国債イールドカーブとの関係を調べてみます。
この時、景気後退入りの3年前の1934年5月から景気後退入り直前の1937年5月までの3ヶ月既発債の平均利回りは、0.2%でした。
米国債3ヶ月既発債と同新発債の過去の利回り差の分布を調べると、既発債が0.2%の場合、新発債との利回り差は、殆どゼロでした。
上のグラフを見て分かるように、1937年6月から始まる米国の景気後退に対して、イールドカーブの逆転は、発生していません。
また、前回と同様に、イールドカーブが、ほぼ、横に一直線となっていることが特徴的です。
これは、長期金利と短期金利が、政策的に固定されていた結果、イールドカーブが景気の変動を反映していなかったためと考えられます。
このように、金利が人為的に固定され、市場で決まらない状況にある場合、イールドカーブが景気後退の先行指標となることはありません。
次回は、これまでの整理として、1937年から1960年までに5回発生した、米国の景気後退について、米国債の逆イールドが発生しなかった理由を分析してみたいと思います。
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