今回は、同時期の米国の景気後退における、住宅指標などの推移を調べてみます。
まず、以下のグラフは、1971年~1975年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
新発債にベースを合わせるために、0.15%下方に調整してあります。
1973年7月の逆イールドの発生が、その後の、景気後退の先行指標となっています。
次に、米国の主な住宅指標である、住宅着工戸数の推移を調べます。
以下は、1971年~1975年の米国の住宅着工戸数の推移です。
トレンドを分かり易くするために、12ヶ月移動平均をプロットしています。
景気後退に先行して、住宅着工戸数がピークアウトしていることから、この時期には、住宅指標が景気後退の先行指標として機能していたことが分かります。
さらに、米国の製造業の主要な指標である、ISM製造業業況指数についても、調べてみます。
以下のグラフは、1971年~1975年のISM製造業業況指数の推移です。
ISM製造業業況指数が好不況の分かれ目である50を下回ったのは、景気後退に入ってからであることから、この時期には、製造業の指標は、景気後退の先行指標として機能していなかったことが分かります。
このように、製造業の指標だけを見ていると、景気後退を予測できない場合があることに、留意する必要があります。
また、1971年~1975年の景気後退においても、米国債イールドカーブは、先行指標として有効に機能していたと言えます。
次回は、1971年~1975年の米国債イールドカーブと日本株の関係について調べてみることにします。
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