2016年3月13日日曜日

投資観 第21回 1977年~1983年の米国債イールドカーブと米国株の関係

前回は、1977年~1983年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブを調べました。

今回は、同時期の米国債イールドカーブと米国株の関係について、調べてみます。

以下のグラフは、前回に作成した1977年~1983年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
新発債にベースを合わせるために、0.25%下方に調整してあります。


1979年1月と1981年2月の逆イールドの発生が、その後の、景気後退の先行指標となっています。
従って、逆イールドの発生した時点で、株式を売却すれば、その後の景気後退による株価下落を避けることが期待できます。

さらに、景気後退が終了した時点で、株式を買い戻せば、その後の景気回復による株価上昇を享受することが期待されます。

米国の景気後退の終了の先行指標として、最も有効な指標は、化学活動バロメータ(CAB)です。
以下のグラフは、1977年~1983年の化学活動バロメータ(CAB)の三ヶ月移動平均の推移です。


化学活動バロメータ(CAB)の三ヶ月移動平均は、最初の景気後退の終了と一致して、1980年7月に底入れしています。また、二回目の景気後退に関しては、その終了に三ヶ月先行して、底入れしています。

統計発表のタイムラグを考慮すると、底入れの二ヶ月後に、認識が可能であり、そのタイミングで株式を買い戻すことが出来ます。

以下のグラフは、1977年~1983年の米国株のS&P500指数の推移です。
逆イールドの発生とCABの底入れ確認のタイミングを記入してあります。


逆イールドの発生で株式を売却して、CABの底入れを確認した時点で、株式を買い戻しても、この時期においては、これまでのように、大きな収益は得られなかったことが分かります。

この時期(1977年~1983年)のインフレ率が非常に高く、株式が買われやすかったために、景気後退の時期においても、大きな株価下落が発生しなかったことが原因であると考えられます。

次回は、この時期(1977年~1983年)における住宅統計など、他の経済指標に推移について振り返ってみたいと思います。

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