今回は、同時期の米国の景気後退における、住宅指標などの推移を調べてみます。
まず、以下のグラフは、1977年~1983年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
新発債にベースを合わせるために、0.25%下方に調整してあります。
上のように、二度の景気後退のいずれにおいても、逆イールドの発生が先行しており、イールドカーブが先行指標として機能していることが分かります。
次に、米国の主な住宅指標である、住宅着工戸数の推移を調べます。
以下は、1977年~1983年の米国の住宅着工戸数の推移です。
トレンドを分かり易くするために、12ヶ月移動平均をプロットしています。
最初の景気後退に先行して、住宅着工戸数がピークアウトしていることから、最初の景気後退に対しては、先行指標として機能しています。
しかし、二度目の景気後退に対しては、景気後退とほぼ同時に、住宅着工戸数がピークアウトしているので、先行指標としては機能していないと言えます。
さらに、米国の製造業の主要な指標である、ISM製造業業況指数についても、調べてみます。
以下のグラフは、1977年~1983年のISM製造業業況指数の推移です。
最初の景気後退の直前に、ISM製造業業況指数が50を下回っており、かろうじて、先行指標として機能しています。
しかし、二度目の景気後退に対しては、ほぼ、同時期に、50を下回っていることから、やはり、先行指標としては機能していないと言えます。
結論としては、1977年~1983年の景気後退においても、米国債イールドカーブは、他の指標よりも先行指標として有効に機能していたと言えます。
次回は、1977年~1983年の米国債イールドカーブと日本株の関係について調べてみることにします。
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