2018年7月8日日曜日

1989年~1991年 米・実質株価の推移 (景気後退期)




上の最初のグラフは、1989年から1991年までの米国の景気後退期における、CPI-U(都市部の全消費者)の前年同月比の12ヶ月移動平均の推移と景気指標との関係を表したものです。
点線は、株式投資に適したCPIの上限と言われている、4%のラインです。
全般的に4%を超えるインフレが続いていたため、株式投資には不向きな時期でした。

上から二番目のグラフは、同じ期間での米・S&P500指数の名目値と実質値の推移です。
グラフ上、実線が名目値で、破線が実質値です。
景気後退期にも関わらず、実質値では、僅かな減少でした。
景気後退によるマイナス要因とインフレ回避というプラス要因が打ち消しあっていたと考えられます。

上から三番目のグラフは、米国の過去のS&P500指数の名目値と実質値の上昇率を景気後退期毎に示したものです。
グラフ上、水色が名目上昇率で、紫色が実質上昇率です。
1989年から1991年までの米国の景気後退期においては、名目の上昇率は、プラス7%だったのに対して、実質の上昇率は、マイナス2%となっています。
米国の過去7回の景気後退の中で、実質的に最も穏やかな景気後退期だったと言えます。

【注意事項】
1.当記事における景気後退期は、米国債イールドカーブに逆イールドが出現した時からCAB(化学活動バロメータ)の反転までの期間とし、NBERが発表している公式見解とは異なります。

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