2015年11月15日日曜日

投資観 第13回 日本の景気後退の終了と景気ウォッチャー調査との関係

前回は、CABとイールドカーブを売買の指標に利用した場合の、米国株の投資収益について、調べてみました。

今回は、日本の景気後退の終了と、景気ウォッチャー調査の現状判断D.I.との関係について、調べてみます。

以下の図は、2001年9月から2015年9月までの、景気ウォッチャー調査の現状判断D.I.の12ヶ月移動平均の推移です。


過去4回の景気後退のうち、3回で、景気後退の終了の1ヶ月後に、現状判断D.I.が底入れをしています。

景気後退の終了 → 現状判断D.I.の底 → 月差
※2002年1月 → 2002年2月 → +1ヶ月
※2009年3月 → 2009年4月 → +1ヶ月
2012年11月 → 2012年12月 → +1ヶ月
2014年8月 → 2015年3月 → +7ヶ月

特に、※を付けた2002年(ITバブル後)と2009年(リーマンショック時)の景気後退に着目すると、米国の景気後退に連動したこれらの日本の景気後退では、その終了の一箇月後に、景気ウォッチャー調査の現状判断D.I.が底入れしています。

このように、景気ウォッチャー調査の現状判断D.I.は、日本の景気後退の終了の一致指標として、比較的に良好に機能しており、特に、米国の景気後退と連動している場合は、景気後退の終了の一か月後に、現状判断D.I.が底入れすることが推定されます。

実務上は、現状判断D.I.の底入れを確認するために、D.I.の上昇を示す翌月のデータが必要であり、さらに、統計の公表のタイムラグが一箇月あるため、景気後退の終了は、その三ヶ月後に確認が可能となります。

景気後退の終了(n月)

現状判断D.I.の底入れ(n+1月)

現状判断D.I.が上昇に転じる(n+2月)

公表値から景気後退を確認(n+3月)

次回は、この景気ウォッチャー調査の現状判断D.I.と米国債のイールドカーブを売買の指標に用いた日本株の長期的な投資収益のシミュレーションを行ってみたいと思います。


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