今回は、2000年の日本の景気後退と、米国債のイールドカーブ(逆イールド)との関係について述べます。
以下のグラフは、1998年1月から2003年12月までの日経平均株価の月次終値の推移です。
青い長方形が日本の景気後退期間を表し、黄色い長方形が米国の景気後退期間を表しています。
左端の1998年1月から1999年1月までの日本の景気後退は、金融危機ならびにアジア危機に伴って発生したもので、米国とは連動しない日本の個別要因による景気後退です。
その後、日本はITバブルによる株高が発生し、2000年3月の2万337円が日経平均の最高値となりました。同時期には、米国でも連動して、ドットコムバブルによる株高が発生していました。
しかし、2000年7月7日に米国債イールドカーブの逆イールド(90日移動平均)が発生し、その、5ヶ月後の2000年12月に、日本が景気後退に入り、さらに、その、4か月後に、米国が景気後退に入りました。
従って、この時期も、米国債の逆イールドが日本の景気後退の先行指標として機能していたわけです。
景気後退の終了は、米国が、2001年11月で、その2か月後の、2002年1月に、日本が景気後退を終わらせています。
ここで、米国債のイールドカーブを利用した日本株の投資パフォーマンスを、逆イールドを検知した2000年7月に、日経平均を売却した場合(1万5724円)の機会損失と損失回避の差として、以下のように算出してみます。
機会損失・・・景気後退入り前の最高値である2000年3月の2万337円で、売却しなかったことによる利益機会の損失割合。
(20337 - 15724) ÷ 15724 × 100% = 29.3
この時期には、日本の方が、米国よりも早く、景気後退に入ったために、日経平均の投資パフォーマンス(8.5)は、米国株のS&P500指数の投資パフォーマンス(21.2)を下回っています。しかし、ITバブル後の株安を早い段階で回避したという意味では、比較的に良い投資パフォーマンスだったと言えます。
次回は、さらに、時代を遡って、1990年の米国の景気後退におけるイールドカーブと米国株の関係について述べたいと思います。
左端の1998年1月から1999年1月までの日本の景気後退は、金融危機ならびにアジア危機に伴って発生したもので、米国とは連動しない日本の個別要因による景気後退です。
その後、日本はITバブルによる株高が発生し、2000年3月の2万337円が日経平均の最高値となりました。同時期には、米国でも連動して、ドットコムバブルによる株高が発生していました。
しかし、2000年7月7日に米国債イールドカーブの逆イールド(90日移動平均)が発生し、その、5ヶ月後の2000年12月に、日本が景気後退に入り、さらに、その、4か月後に、米国が景気後退に入りました。
従って、この時期も、米国債の逆イールドが日本の景気後退の先行指標として機能していたわけです。
景気後退の終了は、米国が、2001年11月で、その2か月後の、2002年1月に、日本が景気後退を終わらせています。
ここで、米国債のイールドカーブを利用した日本株の投資パフォーマンスを、逆イールドを検知した2000年7月に、日経平均を売却した場合(1万5724円)の機会損失と損失回避の差として、以下のように算出してみます。
機会損失・・・景気後退入り前の最高値である2000年3月の2万337円で、売却しなかったことによる利益機会の損失割合。
(20337 - 15724) ÷ 15724 × 100% = 29.3
損失回避・・・景気後退期間中の最低値である2001年9月の9774円まで保有しなかったことによる損失の回避の割合。
(9774 - 15724) ÷ 15724 × 100% × (-1) = 37.8
投資パフォーマンス = 損失回避 - 機会損失 = 8.5
次回は、さらに、時代を遡って、1990年の米国の景気後退におけるイールドカーブと米国株の関係について述べたいと思います。
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