前回は、米国債の3ヶ月既発債の利回りについて、その特徴を分析しました。
今回は、3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブについて、その、概観を見ることにします。
以下のグラフは、1962年5月10日から2015年11月19日までの3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブです。
注)このグラフは、米国債の10年債(新発債)と3ヶ月債(既発債)の利回り差の90日移動平均を、単純にプロットしたものです。従って、詳細な分析のためには、3ヶ月既発債利回りを、3ヶ月新発債の利回りに合わせるための調整を行なう必要があります。
上のグラフを見ると、米国の過去7回の景気後退のうち、6回でイールドカーブのマイナス(逆イールド)が観測されていることから、3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブも、景気後退の先行指標として、比較的に有効に機能していることが分かります。
同時に、このグラフから、以下のような疑問点が、浮かび上がってきます。
1.1990年の景気後退の前に何故、逆イールドが発生していなかったのか。→本当に発生しなかったのか。
2.1966年に逆イールドが発生したのに、何故、その後、景気後退が発生しなかったのか。→住宅など、他の指標は景気後退を示唆していなかったのか。
次回からは、過去の景気後退毎に、詳細な分析を行いながら、これらの疑問点を調べていきます。
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