今回は、2005年~2015年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブを詳しく見ることにします。
以下のグラフは、2005年~2015年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブベースです。
2006年の後半に、逆イールドが発生して、その後の米国の景気後退入りを示唆していることが分かります。
但し、このグラフでは、3ヶ月既発債の利回りをそのまま適用して、10年債新発債の利回りから差し引いています。
即ち、ベースを合わせるための調整前であることに留意してください。
以下のグラフは、2005年1月3日を起点として、景気後退入りの直前の2007年12月31日までの3ヶ月既発債の利回りの推移です。点線は、この期間での利回りの平均値です。
上のように、この期間での3ヶ月既発債の利回りの平均値は、4%強であったことが分かります。
下のグラフは、1982年1月4日から2015年11月19日までの、3ヶ月物の新発債と既発債の利回り差の分布です。横軸が3ヶ月既発債の利回りで、縦軸が、新発債との利回り差です。
2005年1月3日~2007年12月31日の既発債の利回りの平均値である4%に対する利回り差をこのグラフから読み取ると、約0.1%であることが分かります。
即ち、この期間では、3ヶ月既発債の利回りよりも、3ヶ月新発債の利回りの方が、平均して、約0.1%高かったと言えます。
下のグラフは、最初の2005年~2015年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブベースを、0.1%下方に調整した後のイールドカーブです。
調整前のイールドカーブと同じように、2006年後半に逆イールドが発生して、その後の米国の景気後退を示唆しています。
以上のように、2005年~2015年の間は、3ヶ月債の利回り水準が低く、利回り差が小さかったために、既発債ベースの米国債イールドカーブは、新発債ベースとほぼ同じ精度を示したと言えます。
次回は、さらに、時代を遡って、1990年代後半から2000年代前半の既発債ベースの米国債イールドカーブを調べることにします。
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