2016年2月28日日曜日

投資観 第20回 1977年~1983年の米国債イールドカーブ(既発債ベース)

前回は、1988年~1991年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブを、新発債との利回り差を調整して、調べました。

今回は、さらに、時代を遡って、1977年~1983年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブを調べてみます。

以下のグラフは、1977年~1983年の3ヶ月既発債ベースの調整前イールドカーブです。
注)このグラフでは、3ヶ月既発債の利回りをそのまま適用しており、新発債利回りにベースを合わせるための調整を行っていません。



調整前のイールドカーブですが、1979年と1981年の二度の逆イールドが、各々の景気後退を予測しています。

さらに、新発債にベースを合わせるために、この時期の3ヶ月既発債の利回りの推移を見てみることにします。
以下のグラフは、1977年1月3日を起点として、その後の景気後退入りの直前の1980年1月30日までの3ヶ月既発債の利回りの推移です。点線は、この期間での利回りの平均値です。



上のように、この期間での3ヶ月既発債の利回りの平均値は、7.6%と比較的に高かったことが分かります。


下のグラフは、1982年1月4日から2015年11月19日までの、3ヶ月物の新発債と既発債の利回り差の分布です。横軸が3ヶ月既発債の利回りで、縦軸が、新発債との利回り差です。


1977年1月3日~1980年1月30日の既発債の利回りの平均値である7.6%に対する利回り差をこのグラフから読み取ると、約0.25%であることが分かります。
即ち、この期間では、3ヶ月既発債の利回りよりも、3ヶ月新発債の利回りの方が、平均して、約0.25%高かったと言えます。

下のグラフは、最初の1977年~1983年の3ヶ月既発債ベースの米国債イールドカーブベースを、0.25%下方に調整した後のイールドカーブです。


上のように、調整後のイールドカーブでも、1979年1月と1981年2月に、逆イールドが発生しており、1980年2月と1981年7月に始まる二回の米国の景気後退を正確に予測しています。

次回は、この期間における、米国株とイールドカーブの関係について、調べてみることにします。

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