著者が研究している微化石とは、0.1ミリほどの大きさの珪藻という植物プランクトンの化石で、地球上のあらゆる場所で見られるものです。
この、微化石を深海底などから採取して、電子顕微鏡で観察することによって、その場所がかつてどの年代にどのような環境にあったかを知ることが出来ます。
極限的な忍耐が求められる非常に地味な学問ですが、近年、世界的に最も研究が進んでいる分野でもあり、地球環境の研究には必要不可欠な知識となっています。
また、産業分野でも、海底油田の試掘などで、掘削中の地層の年代特定や採油可能性の判定などを行う際に、微化石を採取してその情報を利用することは、非常に有効な技術となっています。
この本では、著者が、ニュージーランド沖の海底から掘り出される珪藻の化石を研究すべく乗り込んだ、国際共同研究の科学掘削船上の研究生活を綴ったものです。
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